2015年7月号

July

2015年7月号

July

貯蓄と繰上げ返済どちらが優先?

2年前にマイホームを持ち、住宅ローン残高が1,800万円程(返済期間残33年)あります。貯蓄で住宅ローンの繰上げ返済をするか、このまま手元に置いておくか、どちらの選択がベストでしょうか?

住宅ローンの繰上げ返済は、月々の返済額とは別にまとまった金額を前倒しで返済(繰上げ)することを言います。それにより、その分の利息が減るという効果があります。一般的に、優先すべきは、貯蓄より住宅ローンの繰上げ返済。なぜなら、貯蓄によって受け取れる利子(プラス)と住宅ローンの利息(マイナス)を比べた場合、住宅ローンの利息(マイナス)の方が圧倒的に大きいからです。但し、繰上げ返済をする際は、計画性が必要になります。積極的に繰上げ返済をするのは良いのですが、中には頑張り過ぎてしまう方もいます。繰上げ返済をすると、手元にある現金が少なくなるので、急な出費などが発生した場合は使えるお金がないという事態にもなりかねません。家族のライフプランを考えた上で、貯蓄しておくお金と繰上げ返済をするお金のバランス調整が大事です。

タイミングに注意しないと逆に損をするかも・・・

住宅ローン控除適用期間中に積極的に繰上げ返済をしてしまうと、逆に受けられる控除額が少なくなるというデメリットがあります。相談者の場合、例えば現在の貯蓄から300万円を繰上げ返済すると、控除率1%に対して、控除額が3万円少なくなります。住宅ローン控除を最大限に受けるためには、適用期間の残り7年間は、繰上げ返済をせず、手元資金としてお金を運用し、8年後に繰上げ返済すると効果が高くなります。子どもが小さい時期は、お金の貯め時です。8年後の繰上げ返済に向け、今より金額が増えるようにしっかり家計を見直しお金を貯めておきましょう。