2014年12月号

December

2014年12月号

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住宅ローンの繰上げ返済をすると子どもの教育費が心配・・

貯蓄を使って住宅ローンの繰上げ返済を検討しています。将来に必要な子どもの教育費を考えると、貯蓄はいくら残して、繰上げ返済をすれば良いのか?それとも繰上げ返済をやめた方がよいのか?悩んでいます。

住宅ローンの繰上げ返済は、お勧めしません。なぜなら、長男が大学へ進学する5年後から長女が大学を卒業する10年後までの6年間は、家計の年間収支は赤字となり、貯蓄の取り崩してのやりくりが想定されるからです。

文部科学省「平成25年度私立大学文系(昼間部)平均額調査」を参考にすると、入学金と4年間の授業料は約386万円になります。下宿の場合、日本政策金融公庫「批正24年度教育費負担の実態調査」から、仕送り平均値は4年間で432万円。合計で在学中にかかるお金は、約818万円となります。ご相談者の場合、長男・長女が共に進学し、仕送りをした場合2人で約1600万円が必要です。教育ローンなどの借入れが必要となる事態にならないよう、5年後に向けてしっかり貯蓄を増やしましょう。

住宅ローンの金利見直しは効果大

まずは、住宅ローンの借換えか、既存の金融機関に金利引下げ交渉の検討を。現在の住宅ローン金利はこれまでにない低金利水準。借換えをして「毎月の支払いが7千円程下がった」という事例も(要別途諸経費用)金利も下がれば、繰上げ返済をやめた損も最小限に抑えることができます。

生命保険の見直しもしましょう。
親の必要保障額は、子どもの成長と共に減っていきます。ライフステージにあった保障額の見直しにより毎月の保険料を下げることができます。今の黒字を1万円増やせば、5年後には貯蓄が1千万円を超えます。それから繰上げ返済を検討しても遅くはありません。